サマリー:SEKAI NO OWARI「Dragon Night」を対象に、歌詞分析の基本的な手順を示します。実際の楽曲の分析をすることでどんな知識が得られるのかを、作詞の初心者に向けて解説します。
「作詞のはじめかた」という非常にオーソドックスな話を書こうと思います。このテーマは本ブログの中心的な課題でもあります。「作詞のはじめかた」ということばは大きく分けて二つの意味を持つかと思います。
- 初心者が作詞を始めるにはどうすればいいか
- ミュージシャンはどう(いつ)歌詞を書き始めるべきか
今回は1の「初心者が作詞を始めるにはどうすればいいか」という話題について書きたいと思います。
作詞を始めるために満たすべき条件を先に述べておきます。以下の2つです。
記録の道具を用意すること
歌詞のコピーと分析をすること
作詞に必要な道具
あなたが作詞したいと望むなら、いついかなる時も、どれかは必ず身につけておくべきです。なぜなら、思いついたアイディアを必ずキャプチャーする必要があるからです。そしてアイディアは突然現れてすぐに消えてしまいます。だから記録道具が要るのです。
- 紙とペン
- パソコン/スマートフォン/携帯
道具の選び方で大事なポイントは、次の二つです。
- 自分が書いた歌詞をいつでも見返せること
- 思いついた歌詞をいつでも書き留められること
歌詞のクオリティアップのためには、1日の中でいろんなシチュエーションに身を置いてみて、繰り返し自分の歌詞をチェックすることが大事です。暇ができたらすぐに読み返すこと、気になる表現があったらすぐに書き直すこと、思いついた新たな表現を書きとめること。その習慣があなたを成長させます。
そして、しつこい読み返しは、日々の生活を送るあなたに必ずインスピレーションをもたらしてくれます。だから絶対に歌詞を良くするという執念と良い習慣を持ちましょう。
歌詞のコピーと分析
ここでいうコピーとは、楽器のプレイヤーがフレーズや楽曲全部を真似ることをいいます。
たとえば、ヴォーカリストなら発声やタイミング、アクセントや発音を再現することを考えると思います。
また、ギタリストならエフェクターやアンプのセッティング、カッティングやチョーキングのフィーリング、ツッコミやモタリを再現することを考えると思います。
つまり、コピーにおいては再現性が一番の課題となります。
では、歌詞のコピーで問われる再現性とはなんでしょうか。歌詞のどんな要素に注目して再現することを考えればいいのでしょうか。この、複雑な事物を理解するため要素に注目するものの見方を、分析といいます。
歌詞の再現と分析はまさに本ブログの中心的なテーマであり、今後研究していくべき課題ですが、ぼくの考えるヒントを挙げておきます。
ソングフォーム(楽曲形式)
歌っている内容
用いられている語彙
ライムの様子
歌詞の書き方はひとそれぞれですが、あなたがコピーしたい歌詞から学びとれる魅力的な要素はなんでしょうか。それについてメモを取り、人に考えを話してみて、実際に実験的な歌詞を書いてみましょう。
具体的に「Dragon Night」の分析を通して見てみましょう。
まず理解すべきはソングフォーム(楽曲形式)です。
「ソングフォーム」という用語については次の記事をご参照ください。
<グロッサリー:ソングフォーム>
これは単に歌詞カードを見るだけではなく、歌詞カードを参考にしながら聴き取って書いてみることをお勧めします。
その理由は、歌詞カードに書かれていない情報があるからです。実際に対象曲(「Dragon Night」)を書き取ってみると、次のことがわかりました。
歌詞カード上は次の様になっていますが、
1番 AAサビ
2番 AAサビ
サビ
実際のソングフォームはこうです。
1番 AAサビ
2番 AAサビ
間奏 サビ サビ
メモをとって感想文を書いてみる。自分がそのフレーズからどんな内容を受け取ったか、自分なりに考えてみる。
友達や学校の先生に見せて、感想を話してみよう。
自分の歌詞にはなくて、彼の歌詞にはあるものはなんだろうと考えてみる。それをオリジナリティとみなして、学ぶ。
内省でもいいけど、やはりノートやTwitter、ブログに文字として残したり、知り合いに語ってみる、ニコ生等で話してみるという「表現」に変えていくことが、あなたにとっての「知識」という形をとるようになると思います。
なぜなら、あなたがやりたいのは単に受容して鑑賞するだけではなく、作詞して歌うという「表現」なのだから。
替え歌
替え歌は作詞のメソッドが最も効率良く習得できる方法です。なぜなら原曲の歌詞はすでにメロディに紐付いており、それと分かちがたく書かれているからです。かっこいい楽曲の替え歌を作ってみること。
自分のやっていることなんて、ほとんど先人の模倣でしかない。
だったら、過去の作品を分析して、そこに通底する要素を理解しスキルとして身につける。つまり、知っている事柄について技術的に再現性を持ってみる。